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”寂しさ”の正体~意識における自己意識の機能~

人は自分が世界にいると思ったとき、「寂しさ」を感じる。

あなたが部屋に一人でいるとき、自分を意識しなければ、自己意識が働かなければ、ただあなたの目の前には部屋があるだけである。

しかしひとたび自分の存在を意識してしまうと、自己意識が働いてしまうと、あなたの脳は他人に対して行うように、自分という対象に何らかのタグ付けをしてしまうだろう。

もしも孤独というタグを貼り付けたのならば、自分に対して寂しそうだと思ったり、そうでなければ孤独でないように見える他人が自分よりもあるカテゴリーで上に位置すると考え、自分の評価を不用意に下げるということになるだろう。

つまり、寂しさの原因は自己意識にあるようだ。

 

広くて何もない部屋の映像を見ても、ただ「部屋がある」と思うだけかもしれないが、その部屋に一人の人間が映りこんだ時には、わたしたちは「寂しそうだ」とか思ってしまう傾向にあるのではないか。

 

ひとりで広くて暗い部屋にいると、孤独感や寂しさ、心細さを感じる人間も、ゲーム内でダンジョンを探索しているときには何とも思わないのではないか。

 

ここまで考えると、寂しさの感情を呼び覚まさないためには、自己意識をなくす、あるいは薄くすればいいことがわかる。

ただ、この世界を観察するものであればいいのだ。

操作するものであればいいのだ。

楽しむものであればいいのだ。

 

現代は、多くの人がインターネットで発信や活動できるため、自分を見つめたり、自分という存在を意識したりする機会がいたるところに存在している。

 

はたしてそれは功なのか。あるいは罪なのか。