強い相互作用は、電磁気、弱い相互作用、重力とともに、4つの既知の基本相互作用の1つである。
10^−15 m の範囲では、電磁気の約137倍、弱い相互作用の100万倍、重力の1038倍もの力を及ぼす。
このことから、”強い”相互作用と呼ばれている。(strong interaction)
強い相互作用とは
強い相互作用は、陽子や中性子を構成するクオークを繋ぎ止める基本的な力でグルーオンと呼ばれるボソンにより媒介される。
いくら遠距離になっても減衰しない。
核力とは
核力は、(強い相互作用で結合された陽子や中性子などの)核子同士を繋ぎ止め原子核とする力。
+の陽子どうしが結合できる理由
陽子は+電荷を持つので、fmオーダーの原子核内に複数個が閉じ込められればクーロン力の強い斥力により原子核をバラバラにしようとします。
このバラバラになる現象を核分裂と呼び、原子力のエネルギー源である。
核子間クーロン力による位置エネルギーが大きな運動エネルギーを与えるためである。
この核分裂が滅多に起こらないのは核力のおかげで、核子間の核力が静電気力よりもはるかに大きいため、原子核が安定して存在出来ている。
核力の原因
強い相互作用は、クオーク同士を結合させて核子を構成するので、外部にはほとんど及ばなくなってしまいます。
それでも少し外部に強い相互作用が漏れ出します。
これは原子核サイズ(fm程度)のみ現れる力で、強い相互作用が核子内に遮蔽されずに残留するという意味で強い残留力、あるいは核力と呼ばれています。
ゆえに核力は強い相互作用の一部分なのです。
1 fm付近では核力の方が電磁気力よりも2桁くらい大きい。
これでも残留力なので、強い相互作用がいかに強い力かわかる。