戦争と慈愛を両立させながら、己の欲望を求め続ける美しい世界
もはや絶対の基準など存在しないことを大人達は皆悟り、今日も刹那の快楽を求めて自分の価値観を押しつけて人を騙し続ける
騙されていることを知りながら、不快になりたくて今日も騙されに行く
教会で生活する孤児コハクは、妹とともに毎日神と向き合う。
ある日コハクは神を疑い始めた
少年は美しく愚かな者達の世界に投げ出される
救済も正しい価値も絶対的な真理もないこの世界を、一つの灯となって照らす
まだ地平線に抑えられている朝の明るさが微かに窓から入り込む教会の中で、少年は虚空に語りかける。
「もしもしかみさま。」
少年は#先生__しんぷ__#の教えのとおり罪をつぐなうために#教科書__せいしょ__#を学んでいる。
「僕は何のために生まれたのでしょうか。」