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古典暗号まとめ

コンピュータが登場する以前の暗号、”古典暗号”について解説した記事です。
シーザー暗号
名前由来:ジュリアス・シーザーガリア戦争の時に用いた
仕組み:アルファベットを三文字ずらして置換するだけ
特徴:文字の頻度分析を行うことで簡単に対応関係を推測することができるため、非常に脆弱
コードブック
仕組み:任意の単語をそれに対応した符号で置き換える仕組みの簡単な暗号で、対応表(コードブック)自体が秘密情報
特徴:複雑なメッセージをやりとりする場合には、コードブックのサイズが大きくなってしまう欠点があり
スタキュレー暗号
名前由来:紀元前5世紀ごろにスパルタ人が使ったとされる
仕組み:スタキュレーと呼ばれる棒に細長い羊皮紙を螺旋状に巻きつけて、平文を書きつけ、羊皮紙のみを配布することで、意味不明な状態に見える。復号は、暗号化に用いたスタキュレーと同じものに巻きつけることで実現。
転置式暗号
仕組み:平文の文字の順番を入れ替える仕組みで、言葉遊びのアナグラムそのもの。入れ替えるルール自体が秘密情報。
特徴:簡単な平文の場合は適切な入れ替えルールを知らなくても、試行錯誤することで復号できてしまいます。
単一換字式暗号
仕組み:平文の文字を別の文字に置換する仕組み。シーザー暗号もこの暗号方式の一つ。
特徴:文字の出現頻度を分析する頻度分析に対して脆弱です。
多表式暗号
仕組み:平文をブロックごとに区切った状態で、それぞれのブロックに異なる置換ルールを適用する仕組み。
特徴:単一換字式暗号と同じ原理で暗号化しますが、解読が難しい。
エニグマ暗号
名前由来:古典暗号の集大成とも言える暗号で、ドイツの技師であるアルトゥール・シェルビウスが発明した。
仕組み:単一換字式暗号と多表式暗号を組み合わせることで頻度分析に対して耐性を持たせた機械式暗号。
特徴ドイツ軍が第二次世界大戦で使用したことが有名。計算機科学の祖アラン・チューリングにより機械を用いて解読されたことも有名。