調べたいものの成分量を調べる、化学分析を定量分析といいます。
成分量ではなく、成分の性質を調べる化学分析を、定性分析といいます。
ヨーロッパで、化学が飛躍的に発展したのは、定量分析のおかげであると言えます。
例えば、元素の発見、原子論、などは定量分析のたまものでしょう。
また、化学は錬金術から発展してきたものですが、錬金術では定性分析が基本でした。
化学分析の体系こそが、化学という学問であるとも言えるでしょう。
では、化学分析をもっと具体的に見ましょう。
定性分析
調べるものの成分が未知であるとき、定性分析を実施して、その成分を特定します。
化学と錬金術との差が明瞭でない時代には、外見や味、密度や硬度、融点、酸やアルカリ、指示薬による比色分析、沈殿法による比濁分析など、経験的に蓄積された知識によって定性分析が行われていました。
定性分析を通して、古代ギリシアや古代エジプトの錬金術師などとのつながりを感じましょう。
彼らが求めていた錬金術の魔法を、私たちは化学という形で使えるというのは、素晴らしいことだと思います。
元素特定
・古典的無機分析
・現代的無機分析
物質特定
構造特定
同じ成分比で構造が複数存在するものの、構造を特定する。
定量分析
定量分析は大きく分けて、重量分析、容量分析、比色分析に分けられます。
重量分析
容量分析
・滴定法
酸塩基反応、酸化還元反応、沈殿反応、錯生成反応などを用いる。
条件は、反応の生成物は1通りであること、反応の平衡定数が非常に大きく、当量点において反応が完結し、未反応の被滴定物質や滴定剤が残存しないこと、当量点を決定する方法が存在すること、速やかに反応が進行すること。
比色分析
含量を精密に決定した基準試料が必要。