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寛容の弊害

"来るものは拒まず、去るものは追わず"

日本は古来より季節風モンスーンによる四つもの季節と、特有の立地による大雪・台風などの自然現象にさらされて生活している。

その影響か、自然などの巨大な流れには抗わず、身を任せるというような心持ちがある。

また一年単位で繰り返す四季により時間の周期を明確に感じ取れるせいか、永劫回帰を肌で理解しているように思う。

そして、人間の文明などは自然の大きな永劫回帰の流れの前では無力で、諸行無常であることも理解しているように思える。

そして、その無限に続く時間のなかで永遠などなく常に変わりゆく世界の中に瞬間の美しさを見出すのである。

 

 綺麗な桜は散ってしまうから美しい

 

 儚い恋心にさびがある

 

などということを感じるのは、このような永遠を刹那ととらえ、刹那を永遠ととらえる日本人のこころがなすのではないか。

 

さて、そんな日本人は異文化を無防備ともいえるほど寛容に受け入れてしまう。

インターネットによりグローバル化して隣人から回覧板を受け取るように地球の裏側の人の発信を受け取れてしまう現代ではあまりにも急速に、永遠も刹那も感じられないほど様々な大きな流れを受け入れてしまっている。

その寛容さが我々のこころにとって良いのか悪いのか、私にはわからない。

ただ美しく散りたいと思う。