人は自分の人生には悲劇を求めるが
他人の人生には喜劇を求める。
映画の主人公には自己投影して泣くが、
話し手としては自分を卑下する人は人気がない。
テレビをつけると自分の人生を喜劇に見せるコメディアンが沢山出ているのに対して、悲劇に見せる人がいないことからもわかる。
そして人は自分の人生を語るときは深刻そうになる。
将来同じ悩みを抱えている人がいても、「大したことない」と思うのにもかかわらず。
このように、どれだけ人間が自分や社会を客観視できるようになったとしても、自分と他人には視点以上の隔たりがある。
そして自分の心の中の言語活動、内部表現、と自分の外部に対して行う言語活動、コミュニケーション、のあいだにおいても大きな隔たりが存在すると思うのだ。
しかし、人は以上の隔たりに対して鈍感、というか意識していない。
これは脳の怠惰さ故だと思う。
この記事では隔たりのうち、内部表現とコミュニケーションの隔たりについて考察していく。
続く